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業界トピックス
ジェネリック農薬で価格は安くなるか
農林水産省は、農薬取締行政の見直しの検討を行っており、その一環として再評価制度の導入する方針を明らかにしている。これは、政府与党の農業用生産資材の価格が割高だとの指摘から、国内の農薬価格について様々な意見やその対応が出されています。その1つに日本の農薬価格が高いのは、ゼェネリック農薬があまり普及していないからではないかとの声が..
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業界トピックス
農薬検索サイトの現状と問題点
新しい農薬登録情報システム 最近、農薬関連のサイトを見ていると、「農薬の検索」に関するものが多くなっている。これは昨年(2021年)3月に農林水産消費安全センター(旧農薬検査所)が公表していた「農薬登録情報システム」が、内容の変更を行ったのに伴い、農林水産省のホームページで公表されることになり、システムの表示内容も「病害虫・雑草と..
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業界トピックス
世界の農薬メーカーの動向
今年も「世界の農薬メーカーの動向2021年版」が発行されました。これは農薬を有効成分別に開発や登録状況をまとめた「SHIBUYA INDEX」の編者である渋谷成美さんが中心となりまとめたもので293頁の労作です。 本書は世界の農薬メーカーの動きを、あらゆる文献、報告書、ニユースなどの資料やデーターを丹念に収集してまとめたもので、会社名順に設立、..
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防除トピックス
バイオスティミュラント
農林水産省は2021年5月に「みどりの食料システム戦略」を策定しました。その中で 2050年までに化学農薬の使用量の50%削減(リスク換算)と有機栽培面積を25%拡大することが明記され、その実現手段の1つに、革新的作物保護技術の開発の防除資材としてバイオスティミュラントの利用が例示されています。 バイオスティミュラントとは バイオスティミ..
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防除トピックス
「果樹ではなぜ防除暦が必要なのか」
はじめに 農作物の病害虫を防除するにあたって、各地で作成されている防除暦は非常に重要なものです。しかし、一方では防除暦による散布が、過剰散布につながり、不用な農薬散布を助長していると言う声もあります。今年の「植物防疫」6月号に靑森植物防疫協会の川嶋浩三さんが「果樹ではなぜ防除暦が必要なのか」でその必要性を的確にお書きになってい..
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防除トピックス
サツマイモ基腐病
●被害が拡大し、さつまいもが高騰 最近テレビで「旬の味覚 さつまいもにある異変 価格高騰 農家を悩ませるある問題」などと報じられました。原因はサツマイモ基腐病で、一番成長期の夏場に全国的に長雨が続いたのと、高温だったことで多くのところでイモの腐れが発生し不作になり、価格の高騰につながったとのことです。 ●2018年に沖縄県で初めて..
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私の自然手帳
くさいちご
―園児らの啄んでいる草苺― 藪山の尾根に古墳がある。古墳といっても尾根が少し盛り上がっているだけの、案内の立て札がなければ、知らぬ間に通り過ぎてしまうようなものである。それでも史跡であることには間違いなく、時どき草刈りなどが行われて多少の管理はされている。その少し盛り上がった土手に毎年クサイチゴが実る。適当に草が刈られるものだか..
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私の自然手帳
サンコウチョウ
―小さくも宇宙歌うや三光鳥― 毎朝の散歩はいつも同じ道を歩いているが、ことしの春は、どうした訳かウグイスの囀りを「ホー ぼけ女」と聞いた。同じウグイスが鳴いていたのか、いつも「ホー ぼけ女」であった。認知症が進んでいる90歳の姉のことが心のどこかにいつも引っかかっているからなのか。普段ならば、「ホー ホケキョウ」と聞こえたはずであ..
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私の自然手帳
お帰りツバメ
帰り ツバメ ―嬉しくも大円描く初燕― わたしの住んでいる町では例年3月の下旬にツバメはやって来る。去年は3月23日に電線に止まっているところを見つけた。いつもと変わらぬ姿に出会うと、「あーまた帰って来たな」とその無事を喜び、季節が間違いなく今年もめぐって来たことに安堵する。 山に挟まれた狭い町の中央には、旧鎌倉街道の国道とJR線が..
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生き物あれこれ(害虫)
今年発生の多いカメムシ類
今年はカメムシ類の発生が多く、発生予察情報の注意報が7月28日の時点で、水稲の斑点米カメムシ類は北海道、東北、北陸、東海、近畿、四国、中国地域の18道府県で出されています。果樹のカメムシ類も南東北、関東、東海、近畿、中国、四国、北九州地域の24都府県で出されています。 今やカメムシ類は我が国の農作物にとって最大の害虫と言えます。昔は..
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いまさら聞けない農薬の話
適用表の中の使用回数
家庭菜園愛好家から農薬の適用表をみて「使用回数とは何ですか?一日の散布回数?ハンドスプレーに入っている薬剤ならばハンドルを押す回数ですか?」という質問がありました。 果樹などの永年性作物を含めて一年のうちの生育シーズンに散布できる回数の合計であることを説明はしましたが、農薬使用初心者であれば抱く疑問かもしれません。 作物残留基..
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生き物あれこれ(雑草)
ヒルガオ科雑草
朝顔につるべとられてもらい水」、夏の花の代表、朝顔は観賞用としては江戸時代からもてはやされたようです。今では家庭園芸の楽しみの一つ、あるいは小学生の教材になっています。 アサガオの仲間はヒルガオ科で観賞用あり、そこから抜け出して雑草化したもの、帰化雑 草様々です。観賞用のルコウソウは江戸時代に持ち込まれたそうですが、マルバルコ..
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生き物あれこれ(雑草)
マメ科雑草
だいず、あずき、そらまめ、えんどうなどの豆は重要な食物ですが、この仲間にも雑草として頑張っているものがあります。そのひとつ芝生などで邪魔なホワイトクローバーいわゆるシロツメクサです。もともとは飼料、緑肥作物、カバークロップとして栽培されて、この場合は貴重な作物ですが、発生してほしくないところに出てきたら雑草です。アカツメクサい..
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生き物あれこれ(雑草)
イネ科雑草
世界の高等植物は約20万種といわれ、その中の雑草種は3万種以上になると言われています。それでも作物生産に経済的に被害を与えるものは200種程度との説があります。 日本国内の雑草種は水田、畑あわせて約100種、これに最近では帰化雑草が増え、また除草剤抵抗性雑草の出現もあって増えつつあります。 雑草の種類をその姿、植物分類のからイネ科雑草..
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いまさら聞けない農薬の話
有機栽培に使える農薬
農家はJAS規格の有機栽培、家庭菜園では無農薬栽培がおこなわれています。その背景に「農薬は危ない悪者」との考えがあります。 有機栽培でも必要に応じて農薬が使えるように、農林水産省では有機農産物の日本農林規格として使用できる防除資材を次のように規定しています。農薬として登録されているものも含まれます。少し長くなりますが列挙します。 ..
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いまさら聞けない農薬の話
適用作物の作物群
農薬使用の際、守らなければならない項目はいくつかあり、これまでにもこの欄で述べてきています。 守るべき項目の中で適用作物はまさにトップにあるのではないでしょうか? しかし、使用者には作物名を見ただけでは戸惑うこともあります。対象としている作物が適用表の中にあるのだろうか?似たような名前だけど、適用作物になるのだろうか? 作物残..
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生き物あれこれ(害虫)
「ヒアリ」と「沈黙の春」
原産地は南米中部 ヒアリは毒を持ち「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定されています。 元々は南米中部に生息していたアリですが、船や飛行機に積まれたコンテナや貨物にまぎれ込んで、1940年代頃からアメリカ合衆国やカリブ諸島に次々と侵入し、2000年代には原産地から遠く離れたオーストラリア、ニュージーランド、中国、台湾でも発見されるよ..
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生き物あれこれ(害虫)
タバココナジラミのバイオタイプ
農作物を加害するコナジラミ類は、オンシツコナジラミ、タバココナジラミ、ツツジコナジラミなどが知られていますが、話題の多いのはタバココナジラミのバイオタイプです。 ●タバココナジラミのバイオタイプとは タバココナジラミは世界的に分布し、形態的には区別できませんが、寄主植物や生物的特徴が異なる20以上のバイオタイプが知られています..
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寅次郎の農薬つれづれ記
鋭い観察眼から生まれたジベレリン
ぶどうの季節になるとデラウエアー、巨峰、ピオーネなどの品種の種無しぶどうが店頭にならぶ。種の無い品種だと思っている人がいるが、これは開花後のぶどうの花房を一房ずつ植物ホルモンのジベレリンの水溶液に浸漬することによってできるのである。 ジベレリンは1926年(大正15年)台湾総督府農事試験場の技師であった黒沢英一が「稲馬鹿苗病の..
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寅次郎の農薬つれづれ記
DDTの歴史
合成農薬のオリジンをどこにおくかは、判然としない面もあるが、1939年スイスの染料会社ガイギー研究所のミュラーがDDTの殺虫剤としての生物活性を発見したことにあるということには異論はないようだ。DDTの化合物自体は、その遥か前の1874年にオーストリアの化学者ツアイドラーによって合成されている。構造は極めてシンプルなものなので有機塩素..
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寅次郎の農薬つれづれ記
博多中洲の“飢え人地蔵”
中洲の繁華街の一角に場違いなお地蔵さんがひっそりとたたずんでいる。1732年(享保年間)に西日本中心に大飢饉が起こった。この飢饉は2月から6月までの長雨と大陸から飛来したイナムシ(ウンカ)の大発生によるものとされており博多で6000人の人がなくなっている。このお地蔵さんはその人たちを供養するためのものであり、現在でも毎年8月..
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