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農薬の深イイ話

2023.01.01

ホウレンソウケナガコナダニ

ほうれんそうを加害するコナダニ類は数種類知られていますが、多いのはホウレンソウケナガコナダニです。本種は20数年前から全国的に問題となり、北海道、本州で分布が確認されています。きゅうり、すいか、ピーマン、トマト、ねぎ、にんじん、キャベツ、とうもろこし等多くの作物に寄生しますが、中でも被害が深刻なのがほうれんそうです。
ホウレンソウケナガコナダニはダニの仲間ですが、農作物を加害するハダニ類とは全く違った性質を持っています。まず、気門という呼吸器官がありません。また、ハダニ類は植物体上で生活していますが、本種は通常土壌中や土壌に投入されている有機質資材中に生息しており、その一部が植物体に移動して加害します。さらに、ハダニ類に有効な多くの殺ダニ剤は効果が低く、ハダニ類と同じような対策をとっていては防除が出来ません。本来は土壌中に生息する有機物分解者で、有機物や有機物に発生する糸状菌を食べていますが、近年、有機質資材を積極的に活用したいわゆる有機栽培で、被害が多く見られるようになりました。

形態と生態
土壌表面から深さ 5 ㎝までの層に多く生息し、形態は体長 0.3~0.7 ㎜程度の楕円形、体色は光沢のある乳白色で後胴体部に長い毛が生えています
発生適温は 20℃前後ですが、産卵数は 10~15℃で多くなります。また、低温に強く、7℃以上あれば成長することができますが、高温には弱く、25℃を超えるとふ化率が低下します。よって被害は夏に少なく、春と秋に多くなります。

被害
土壌中で増殖した本虫がほうれんそうの新芽部分に侵入し食害します。寄生は4葉期頃から増加し、被害は8葉期頃から急増します。食害により、葉に小さな穴やこぶ状の小突起が生じ、正常に展開せず、光沢を帯びた奇形となります。被害が激しい株は、葉が縮れたようになって褐変し、芯止まりとなり生育が抑制されます。土壌中の生息密度が高い場合には、幼芽を食害し、発芽障害を起こすことがあります。

多発する3つの要因
1, 菜種油粕など有機物の施用
菜種油粕や米ぬか、未熟な堆肥の施用はケナガコナダニを増殖させます。畑に施用する有機物は、バーク堆肥やもみ殻くん炭、完熟堆肥など増殖しにくいものに変えましょう。
2, 土壌表面に生えた藻類のすき込み
ケナガコナダニはハウスの土壌表面に発生する藻類を餌としても増殖します。藻類を事前に除去し、すき込みを減らすことが有効な防除対策になります。
3、散布剤の連続使用
効果のある薬剤でも長年使用いると、ケナガコナダニに抵抗性が発達し効かなくなる場合があります。ケブカコナダニは外部との交雑が少ないので抵抗性がつきやすいのかも知れません。散布剤に効果が見られない場合は別の薬剤に変える必要があります。

防除対策
ケナガコナダニは土壌中の有機物や藻類を餌に繁殖します。その発生を抑えるには、繰り返しになりますが、餌になる有機物を施用せず、土壌表面の藻類をすき込まないようにします。播種前にキルパー液剤を10a当り60L施用すると、藻類が除去されケナガコナダニの密度を低減させることができ有効です。

また、散布剤で防除する場合は十分な量を土壌表面にかけるように散布します。もし、土壌表面が乾いている場合は前日に灌水し土壌を湿らせ薬剤が浸透し易いようにします。

ほうれんそうのホウレンソウケナガコナダニに登録のある薬剤は多くあります。散布剤と粒剤の組み合わせや作用性の異なる剤とのローテーションを心掛け防除してください。
アファーム乳剤      2000倍     収穫3日前まで    2回以内
カスケード乳剤      4000倍     収穫3日前まで    3回以内
コテツフロアブル     4000~6000倍  収穫14日前まで   1回
ディアナSC       2500倍     収穫前日まで     2回以内
ネコナカットフロアブル  1000倍     収穫3日前まで    2回以内
コテツベイト       3~6kg/10a  収穫14日前まで   1回
フォース粒剤       9kg/10a は種前        1回

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