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私の自然手帳
くさいちご
―園児らの啄んでいる草苺― 藪山の尾根に古墳がある。古墳といっても尾根が少し盛り上がっているだけの、案内の立て札がなければ、知らぬ間に通り過ぎてしまうようなものである。それでも史跡であることには間違いなく、時どき草刈りなどが行われて多少の管理はされている。その少し盛り上がった土手に毎年クサイチゴが実る。適当に草が刈られるものだか..
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私の自然手帳
サンコウチョウ
―小さくも宇宙歌うや三光鳥― 毎朝の散歩はいつも同じ道を歩いているが、ことしの春は、どうした訳かウグイスの囀りを「ホー ぼけ女」と聞いた。同じウグイスが鳴いていたのか、いつも「ホー ぼけ女」であった。認知症が進んでいる90歳の姉のことが心のどこかにいつも引っかかっているからなのか。普段ならば、「ホー ホケキョウ」と聞こえたはずであ..
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私の自然手帳
お帰りツバメ
帰り ツバメ ―嬉しくも大円描く初燕― わたしの住んでいる町では例年3月の下旬にツバメはやって来る。去年は3月23日に電線に止まっているところを見つけた。いつもと変わらぬ姿に出会うと、「あーまた帰って来たな」とその無事を喜び、季節が間違いなく今年もめぐって来たことに安堵する。 山に挟まれた狭い町の中央には、旧鎌倉街道の国道とJR線が..
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