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農薬の深イイ話

2022.02.01

農薬検索サイトの現状と問題点

新しい農薬登録情報システム
最近、農薬関連のサイトを見ていると、「農薬の検索」に関するものが多くなっている。これは昨年(2021年)3月に農林水産消費安全センター(旧農薬検査所)が公表していた「農薬登録情報システム」が、内容の変更を行ったのに伴い、農林水産省のホームページで公表されることになり、システムの表示内容も「病害虫・雑草と使用法」が従来の表形式から1項目1行方式に変更された。このシステムの活用を見込み、農薬の検索を取入れた営農関連サイトが増加しているためと思われる。
この1項目1行方式は農薬の検索を行う上で検索し易く極めて有効な方式で、加工方法によっては並び替え等の集計もしやすい。独立行政法人農研機構でも「農薬登録情報システム」を活用し、必要とするデーターを取得・保存ができ、かつ利用者の手元で並び替え・集計等の二次的なデーターの編集が可能な農薬登録情報利用ソフトウェアの開発を進めており、登録すればWebサイトからダウンロードし利用できるとのことである。
農薬メーカーのホームページでもこの1項目1行方式を採用しているところもあるが、まだ2~3社にとどまっている。この方式では、検索に有効であっても利用者が見た場合、表そのものが膨大な行数になり、見にくいばかりでなく、使用目的の作物や病害虫・雑草になかなかたどり着けないからと思われる。例えば、スミチオン乳剤では84作物に登録があるので、行数は320にもおよび、A4用紙で印刷したとすると(実際は1行ずつ印刷できないが)20ページ以上にもなる。
この「農薬登録情報システム」は、日本で登録されている約4300件の農薬を対象としており、すべての薬剤がヒットされる。しかし、その中には有効成分や剤型、登録内容が同じ薬剤が名称を変え複数登録されていることなど、今の登録制度の矛盾点が浮き彫りにされており、これらを解決しない限り、利用しやすい農薬の検索にはほど遠いと言わざるをえない。

成分・剤型・登録内容の同じ剤が複数登録されている。
有効成分・含有量、剤型、登録適用内容が同じ農薬が、屋号等は異なるために別々に登録されていることは古くから知られている。例えばスミチオン乳剤(MEP 40%)は13剤登録されており(4剤は少し登録内容が異なるが9剤は同一)、作物名、害虫名で検索を行うと、現在の登録制度上いたしかたなことかも知れないが、13剤がヒットされることになる。
このように複数登録されている薬剤は数多くあり、一寸調べただけでも5社以上の剤が下記の通り数剤あった。
トップジンM水和剤(チオファネートメチル 70%)
ベフラン液剤25(イミノクタジン酢酸塩 25%)
ダイアジノン粒剤5(ダイアジノン 5%)
アディオン乳剤(ペルメトリン 20%)
サルコムフロアブル10(クロラントラリニプロール 10%)
バサグラン液剤(ペンタゾン 40%)

もっと厄介なのは有効成分・含有量、剤型、登録内容が同じでありながら、農薬の名称が全く異なる剤である。
カスミンボルドーとカッパーシン水和剤(カスガマイシン塩酸塩・銅水和剤)
バスアミド微粒剤とガスタード微粒剤(ダゾメット)
スタークル顆粒水和剤とアルバリン顆粒水和剤(ジノテフラン)
等が知られているが、多い事例では、畑作除草剤の「グリホサートイソプロピルアミン塩液剤」は何と6社が別々の名称で登録している。また、水稲用箱粒剤の「シアントラニリプロール、イソチアニル混合剤」はこれも全く別な名称で4社が登録している。
聞くところによると、古くは農薬登録の際、同じ剤で名称が異なる場合は、同一の名称に統一するよう農水省が指導したとのことであるが、近年では販売戦略のためか水稲除草剤や箱処理剤用混合剤に多く見られている。
話は違うが土壌処理剤のD-D剤とクロールピクリンくん蒸剤は、元々複数のメーカーが別々に開発を行い登録していたため、登録作物、病害虫や使用方法等が異なっていた。これをメーカー間で協議し同じ内容に統一した。このことは利用者の利便性を考えてのことと思い大いに評価されることであったが、D-D剤の場合D-D、DC、テロンなど異なる名称はそのままであり統一できなかったことは残念であった。

農薬名称の簡略化
農薬は、使用者は勿論、農作物や環境に対する安全性に細心の注意をはらっており、農水省や農薬工業会は官民一体となって農薬危被害防止運動等を通じ啓蒙に努めている。そして農薬は国の認可を受けなければ使用できない商品である。農薬の名称は、販売者や使用者の利便性を考え、防除指導、販売、保管管理や使用にあたっての検索がしやすくなるよう、簡略化すべきではないかと思う。

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